『 新年もよろしくお願いいたします 』

2020(令和2)年が始まります。

旧年中は大変お世話になりました。新年も引き続き宮通研をよろしくお願いいたします。

 

 2019年は(も)実にさまざまな出来事がありました。皆さんにとって一番印象深いことは何でしたか?

宮通研と宮城県聴覚障害者協会にとって一番の出来事といえば、やはり、「第67回全国ろうあ者大会」でしょうか。実行委員として数年間運営準備に携わってきた皆さん、職員として大会の中枢を担ってきた皆さん、要員や通訳として大会本番を支えた皆さん、たくさんの人の手で作り上げた大会でした。

 また、全国的に手話言語条例 の制定が進む中、宮城県では、まず「障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)」の制定に向けた検討が始まりました。目的や理念、差別解消(不当な差別の禁止、合理的配慮提供義務、相談体制、助言・あっせん)と情報保障(手話を言語として認知、情報保障・意思疎通支援)の柱により構成されています。2月には県内7か所でタウンミーティングが開催され、当事者や関係者が集い、直接、条例骨子に対する意見交換を行いました。そして8月からは毎月1回検討会が開催されています。検討会は委員17名で構成されており、聴覚障害者関係では、宮城県聴覚障害者福祉会を代表して細川かおるさん、みやぎ盲ろう児・者友の会から小山賢一さんが出席しています。検討会はこれまで5回開催され、条例の柱を順次検討してきました。1月の検討会で条例案がまとまる見込みです。この条例には、「手話を言語として認知する」という柱が盛り込まれていましたが、全国ろうあ者大会をきっかけに、「宮城県手話言語条例(仮称)」独立制定の話が持ち上がりました。宮城県聴覚障害者協会を中心としたプロジェクトチームが検討を進めており、2020年は宮城県で私たちに大きく関わる二つの条例が制定されそうです。

 

 もうひとつは、「優生上の見地から、不良な子孫の出生を防止する…」ことを目的とする旧優生保護法下の優生手術被害者による国賠訴訟の動きです。2018年1月30日、旧優生保護法下で優生手術を強制された被害者が、仙台地裁に全国初の国賠訴訟を起こしたことから、この問題に対する調査や補償に向けた動きが始まりました。宮城県で行われた本人の同意のない優生手術が北海道に次いで全国2番目の多さであったことは大変な驚きでした。「優生手術被害者とともに歩むみやぎの会」の支援により、口頭弁論、報告会などが繰り返され、報告会には手話通訳もつき、関係者も多数傍聴してきました。そして、2019年5月28日仙台地方裁判所は、旧法は違憲であるとの判断を示す一方で、国側の責任については認めず損害賠償請求を棄却しました。この判決の前、4月24日には、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」が成立し施行されましたが、原告らが求めていた真の救済には到底及ばないものです。宮通研では、7月19日の宮通研学習会に「優生手術被害者とともに歩むみやぎの会」の方々をお招きし、この問題を改めて学びました。

 

 2019年も自然災害に苦しめられました。特に台風の被害 が大きく、宮通研では10月14日に予定していた第2回宮通研学習会と、10月26日に予定していた宮通研・聴障協会青年部・学生手話サークル合同芋煮会を中止しました。特に台風19号では、仙南や大崎で観測史上最高の雨量を記録し、県内18河川36か所が決壊し大きな被害となりました。被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。台風19号の気象庁緊急会見には手話通訳がつきました。気象庁ではかねてより緊急記者会見 の手話通訳導入を試行しており、5月10日九州日向灘を震源とする震度5弱の地震における緊急会見で初めて手話通訳を導入しました。以降、日中の会見にのみ手話通訳がつけられています。緊急会見はすべての視聴者に緊急情報を伝えるためのもの。手話通訳もそのために配置されているにもかかわらず、無頓着に(もしかして意図的に!?)テレビ画面から外す放送局もあります。誰もが情報にアクセスできる環境と体制の整備を求め続けなければなりませんね。

 

 12月21日~24日まで、兵庫県神戸市にあるJICA関西において、WFD RS-Asia主催の、「ISIT(国際手話通訳トレーニング)/CRPD(障害者権利条約)& SDGs(持続可能な開発目標)研修会」が開催されました。アジア10か国地域から20余人が集まり、熱心に研修を受けました。4日間の使用言語は国際手話です。研修の内容もさることながら、進め方がとてもいいのです。話題提起、グループディスカッション、発表、意見交換、実演と終始参加型の研修でした。ろう者が多かったためか、ディスカッションも質問も大変活発で、特に行政交渉のロールプレイは爆笑ものでした。「ろう者あるある」も「ろう者をとりまく課題」も海を越えて共通であり、海の向こうでも同じことに取り組んでいる仲間がいるんだなぁ…と心強く思いました。

 課題もたくさんある社会ですが、たくさんの人たちの知恵と行動で、安全で心地よい社会に近づいていくはずです。2020年も心新たに頑張っていきましょう。

(会長  宮澤典子)