ネタがないときの随筆もどき

新型コロナウイルス感染拡大対策の活動自粛のなか始まった2020年度も、上半期を終え下半期となりました。定期総会が開けない、学習会が開けない、諸行事の再検討が求められるなか、下半期には情勢が落ち着いていることを期待して、上半期の行事を中止してきました。そして、いざ下半期を迎えましたが、新型コロナウイルスは依然として日本に居座り、以前のように平穏な日常はいまだ戻っていません。毎日「本日の患者の発生状況は***人、うち65歳以上の高齢者は**人、検査実施件数は****人です」とメールが入ります。東京都の新患者数が200人を超えてもあまり騒がなくなってきました。「オオカミと少年」現象です。国民が感染者発生に慣れてしまったかのようです。しかし、いまでもあちこちでクラスターが発生しています。発生場所の多くが飲食店や劇場であることから、やはり三密の回避は対策として有効であることがうかがえます。今後も三密回避を継続しなければならない状態のなか、私たちの活動をどうすべきか大変悩むところです。

 

全通研は、毎年5月に全国代議員会を開催していますが、今年度は開催を10月に延期しました。しかし、開催が近づいても全国の代議員が一堂に会することは困難な状況だったので、書面による決議に方法を変更しました。9月30日、133人全代議員から承認回答があり、すべての議案が可決されました。今年度、全通研は役員改選の年でしたが、10月18日の理事会からようやく新体制となりました。東北ブロック推薦理事は、宮通研の櫻井直子さん(健康対策部)と岩手支部の石川敬さん(研究部長)が担当します。皆さんも応援よろしくお願いいたします。

 

さて、私事ですが、今年度は現職の最終年となります。最後の年なので引き継ぎに備え、諸業務をまとめる一年にしようと考えていましたが、コロナの影響でまとめどころか、新たな方法に着手する年になりました。

今年度は入学式もなく、しばらくの休校ののち4月20日から突然オンラインによる授業を始めることになりました。在校生は、これまで動画を視聴したり撮影したり、パソコン操作にも慣れていますので、まあまあスムーズに対応できましたが、気の毒なのは新入生です。何の説明もないまま、突然オンライン授業が始められ、さぞ戸惑ったことと思います。オンラインの戸惑いは学生だけではなく、非常勤講師たちも同じでした。そのため、予定していた時間割はすべて組み換えとなり、非常勤講師たちにオンライン授業の方法を指導し、教材を用意し…と、教官たちもバタバタした毎日を過ごしました。さらに状況がどのように変化するのか全く見通しが立たなかったため、時間割も2週間単位1か月単位で編成しなければなりませんでした。6月からは一部対面の授業も可能となり、現在はオンラインと並行した時間割となっています。

 

最後の年は穏やかに、年度末に向けてフェードアウトしていこうと目論んでいたのに、年度初めから予定とは真逆の毎日です。それでも、Zoomを使ったオンライン授業の方法、Google Classroomの活用など、新たなスキルを得ることができたのはとても良かったと思います。おかげで、宮通研の会議や全通研東北ブロック役員会では、いち早くZoomミーティングを取り入れることができましたし、あちこちの研修でZoomやGoogle Classroomを導入することができました。また、WASLIもこれまで年間1回の対面理事会だったところを毎月オンライン会議を開催するようになり、理事同士のコミュニケーションが深まりました。オンラインに対応するには、インターネットに接続できる環境や機材とパソコン操作に関するスキルが少しだけ必要です。ちょっとハードルが高いと感じることもあるかもしれませんが、新しいことに興味をもつ、チャレンジすることは、通訳者に求められる資質のひとつですから、年齢に関係なく取り組んでみたいところです。

 

ちょうどIT(Information Technology)やICT(Information and Communication Technology)が向上していたことは、コロナ禍の回避策として大変役立ちました。それでも、全通研の基本は集団の対話です。対話とは対面で話すことです。

回避策としてオンライン会議やオンライン研修が導入されていますが、やはり毎回の感想のなかに、「顔を見られたのはうれしいけれど、同じ空間でもっと自由にたくさん話したかった」という意見があがります。コミュニケーションは人間の基本的人権です。ぜひ同じ空間で顔を合わせて話し合いたいものですし、共通の言語で自由に話し合いたいものです。「宮城県手話言語条例(仮称)」の検討が進んでいます。検討会も頻繁に開催されています。手話通訳者の皆さんは、ぜひ、その際の手話通訳にご協力ください。手話通訳者ではない皆さんは、ぜひ、お近くの方々にこの条例の大切さをお話しください。パブリックコメントの期間は終了しましたが、宮通研会員全員で、今後の動向を見守り、宮城県内の誰もが自由にコミュニケーションできる環境整備に関わっていきたいと思います。

 

私事その2ですが、五十肩だと思っていた右肩の痛みが、実は腱板損傷であることがわかりました。完全断裂ではないので手術はしませんが、自然治癒することもないそうです。肩が痛いのは加齢のせい、事務仕事のせいと自己判断せず、不調を感じたら早期受診早期治療が大切ですね。宮通研には医療班があり、健康対策理事もいます。下半期もみんなで健康に活動していきましょう!