寒さに負けず コロナに負けず!

宮城県でも、新型コロナウイルスの感染が拡大しています。217日の陽性者は906人と過去最高となりました。学校や障害者施設でもクラスターが発生しているようですし、222日における実効再生産数は1.3と依然として拡大傾向が続いています。宮城県や仙台市はさまざまな新型コロナウイルス対策の施策を展開していますし、私たちも感染防止に取り組んでいるのですが、なかなか効果が現れない状況となっています。毎日800人前後の感染者が報告され、家族や知人が感染したという話を聞くようになってきました。今回は、陽性となり宿泊療養を体験した方のお話を聞いてみたいと思います。

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M:このたびは大変でしたね。感染が判明してからこれまでの出来事で強く印象に残っているのはどのようなことですか?

X:陽性と言われたきの衝撃でしょうか。ワクチンも接種したし、数日前のPCR検査では陰性だったので、なぜ私が?と思いました。幸いのどが痛む程度の軽症だったのですが、宿泊療養を勧められ、迅速に手配していただけたことで少し落ち着きました。

 

M:宿泊療養するにあたり心配だったことは何ですか?

X:家族に感染していないか、家に残る家族が自活できるかどうかが心配でした。また、仕事を休まなければならなかったので、その間職場に迷惑をかけてしまうことも申し訳なく思いました。人員の限られた職場なので解雇も辞さないと思いましたが、気にせず療養するように言っていただけてありがたかったです。また、子どもの学校でも何か言われるのではないかと不安でしたが、結構欠席者がいたようで、あまり問題にはならなかったようです。子どもたちもコロナ慣れしたのでしょうか。

 

M:ホテルに入ってからはどのような生活でしたか?

X:入った日を0日として翌日から数えて10日目まで滞在しなければなりません。不安半分、骨休め半分といったところでしょうか。とても静かでした。

ホテルでは、日課があって、それをどのようにこなしていくのか気になりました。初日は13:30に到着したので、最初の日課はラジオ体操でした。突然放送が始まり、その音量の大きさにびっくり。周辺の高層ビルから見えるのではないかと思い、初日はしっかり体操できませんでしたが、翌日からは運動不足解消のためにもせっせと体操しました。

一人なのでゆっくりしようと思いましたが、意外に眠れませんでした。朝も早朝に目が覚めました。枕が変わったせいかと思いましたが、無意識のうちに緊張していたのかもしれません。

ホテルに到着してから、のどの痛みがひどくなりました。それらはすべて健康観察の電話で報告しました。症状の程度を0から10の数字で表すのですが、自分の状態がどのレベルに該当するのか決めかねて難しかったです。

2日目になると、独りぼっちで少し寂しいと思い始めました。夜にパジャマを洗濯したところ、乾かなくてびっくりしました。厚手のものは乾きが悪いと知ったので、その後は下着や薄手のものだけ洗うようにしました。タオルもアメニティもすべて持参しなければなりませんでした。事前に仙台市のWEBサイトで「新型コロナウイルスの感染に伴い宿泊療養をされる皆様へ」などを見て準備しておきました。

https://www.city.sendai.jp/aoba-somu/corona/syukuhaku.html

 

M:持参してよかったものは何ですか?

X:コーヒーや紅茶など温かい飲み物やお菓子、本、加湿器、廊下に出るときのためのパーカー、ふわふわ靴下、サンダル、麦茶の素など。それから、柑橘系の香りのボディクリームや入浴剤に癒されました。通常ホテルに備えてあるアメニティグッズなどはありませんでしたし、除菌グッズもなかったので、持参して良かったと思いました。また、衛生用品などは多めに持参すればよかったと思いました。

 

M:1日の日課とはどのようなものですか?

X:結構忙しいのです。もちろん症状がなかったからできたことかと思います。

7:15

朝食(お弁当配布)

7:30

健康チェック①(熱を測り、健康観察シートに記入して待ちます。ごはん中なのに!と思いますよね)

8:15

ゴミ出し

9:00

健康観察①(看護師さんが電話で体調聞き取りを行います。順番なので9:00ぴったりではありません)

10:00

ラジオ体操(部屋から出ない。換気をする)

12:00

昼食(お弁当配布)

13:00

ゴミ出し(お弁当のゴミは毎食後捨てます。生ものは取り置き禁止。袋の口を縛り廊下中央にあるごみ箱に入れます。袋の口を縛ると指示されているのに、ペットボトルをそのまま捨てる人もいて…)

15:00

ラジオ体操

16:00

健康チェック②(熱を測り、健康観察シートに記入して待ちます。)

17:30

夕食(お弁当配布)

18:00

健康観察②(看護師さんが電話で体調聞き取りを行います。順番なので18:00ぴったりではありません。夕ご飯中なのに!)

18:30

ゴミ出し

各時間の10分前に事前放送があります。朝は7:05に「今から配膳をいたします。配膳を完了したら放送いたしますので、お部屋からお出にならないでください」とアナウンスがあり、目覚まし代わりでした。その後「配膳が完了いたしました。数が決められていますので、おひとり様おひとつだけお取りください」のアナウンスが流れてから取りに行きます。ドアスコープから廊下を覗いたり、周辺の音を確認したりして、人がいないところを見計らって取りに行きました。

 

M:食事はどんな感じでしたか?

X:毎食お弁当でした。毎食肉と魚が入っていて濃いめの味付けでした。黒コショウでピリ辛味のものもありましたが、のどが痛い間は食べられませんでした。冷たいお弁当だったので魚は少し生臭く感じました。味覚障害はなかったという証拠ですかね。食パンが1回、デザートが3回くらい出ました。みそ汁は3種類(わかめ、油揚げ、あさり)用意されていて取り放題でした。お弁当も冷たいし、部屋も寒かったので、温かいみそ汁に癒されました。みそ汁と水(2リットル)が廊下に常備されており、自由に取ってよいことになっていました。

 

M:大変だったことは何ですか?

X:洗濯でしょうか。すべて手洗いなので、厚手のものの洗濯は諦めました。それからテレビの字幕機能が使えず、夜に音量を小さくして観ることができませんでした。聴覚障害者がホテルを利用する際のクレームナンバー1と聞きますが、ほんとに配慮に欠けていますよね。

 

M:療養解除になるときはどのように?

X:当日午前の健康観察で看護師さんに状態を報告し、14:00頃医師から許可が出て帰宅できることになりました。15:30までの間に退去するように指示され、防護服を装用した係員が部屋まで来て、部屋からエレベータまで誘導されました。入る時も退去するときも裏口からで、オープンにできないからかなぁと思ったりしました。帰るときにはもうPCR検査をしません。ここは明確でなくてもよいのか!?と思いました。行きは指定の車で送迎されましたが、帰りは自力で帰りました。

 

M:帰宅後一番にしたことは何ですか?

X:全身と荷物にアルコールスプレーをしました。そして、洗濯機を回しつつ、アイスとおやつを食べました。一息ついてから買い出しに行き、久しぶりに夕ご飯の支度をして、帰宅したなぁ~と実感し、家族一緒に食卓を囲み、温かいご飯と温かいおかずを食べられる幸せを噛み締めました。

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 オミクロン株は軽症であることが多いと言われていますが、最近は高齢者に感染の手が伸びて重症化したり死亡したりというニュースも聞こえてきます。少しでも違和感を覚えたらPCR検査を受けましょう。そして、ワクチン、マスク、手指消毒、密回避もさることながら、まず体力や免疫力を高めておくことが大切ですね。

みんなで元気に2022年度を迎えましょう。              

 

 会長  宮澤典子