Noricoda MINI「通訳と仲介」

「通訳と仲介」

 最近、通訳おける仲介について考えています。

仲介とは何らかの理由で直接の対話能力を持たない人の間のコミュニケーションを可能にするものです。仲介は、異言語でも同言語でも行われます。人間関係や文化的背景、立場の違いなどを調整しながら、相互理解や円滑なコミュニケーションを促進することです。

通訳は本来、中立的な立場で言語翻訳を行うことが基本とされていますが、実際の現場では、単なる言葉の置き換えだけでは意思疎通が成立しない場面も多いものです。特に医療や相談等コミュニティ通訳では、文化的背景や情報量の差を補うため、通訳者が一定の仲介的役割を担うことがあります。

 

しかし、仲介的な支援が過度になると、通訳者自身の価値観や判断が入り込み、当事者同士の直接的な対話や主体性を損なう危険性もあります。そのため、通訳者には「どこまでが妥当な仲介で、どこから過度な介入になるのか」を常に意識しなければなりません。通訳と仲介の違いを理解したうえで、適切な距離感を保つことが求められます。実際の通訳場面をもとに、仲介が適切かどうか検証するような研修をしてみたいなぁと思っています。

宮澤典子