2023/09/01
8月は平和に思いをはせる月です。「広島平和記念式典」「長崎平和祈念式典」「終戦の日」「お盆(盂蘭盆会うらぼんえ)」など、戦争に関する話題が増え、先祖や故人を偲びつつ命を考える機会が続きます。そして、8月には全通研集会~サマーフォーラムが開催されます。今年徳島県で開催されたサマーフォーラムは、4年ぶりの対面形式の集会となりました。3年前、石川で予定されていたサマーフォーラムはコロナのため中止となり、2年前と昨年のサマーフォーラムは開催地以外の方々はオンラインで参加する形式となりました。このように、当然あると思っていたことが突如制限されたり奪われたりすることで、初めて「ある」ことのありがたさを感じるものです。
全通研集会~サマーフォーラムでは講座と分科会があります。4つの講座の中には必ず「人権」をテーマにしたセクションがあります。今回も、記念講演に始まり諸講座で人権と平和のことが語られました。日々、それなりに暮らせていると「平和」を意識することは少ないかもしれません。そもそも平和は空気と同じように、すべての人々が意識せずに享受できるものであるはずです。
2023/08/01
7月4日(火)~9日(日)、韓国・済州島でWASLI Conference 2023 in South Korea(世界手話通訳者会議in韓国)が開催されました。世界手話通訳者会議は4年ごとに開催されており、今回は6回目になります。参加者は、69か国・地域から455人(会場379人/オンライン76人)。日本の参加者は 31人(会場29人/オンライン2人)でした。
世界手話通訳者会議を開催するには、まず、招待者(実行委員長)を選任します。これは開催地に関係なく立候補を募り、その中から選任されます。今回は、初のアジア開催ということもあり、マレーシアのルーシー(聴者)とアンソニー(ろう者)が共同招待者に選任されました。そして、二人を中心に、2年半の時間をかけて韓国のスタッフやアジアの近隣国と協力しあいながら準備を進めてきました。コロナ禍によりオンライン行事が普及してきましたが、今回の世界手話通訳者会議は、集合型で行うことを目指して準備を進めてきました。379人が参集した会場ではあちこちで国際手話が飛び交い、世界中の手話通訳者が集合を喜んでいる様子が見られました。
2023/04/01
新年度あけましておめでとうございます。
3年間私たちを苦しめた新型コロナウイルス感染症もようやく下火になり、ポストコロナ、ウィズコロナの段階になりました。マスク着用は個人の判断にゆだねられ、行動の制限も緩和され、久しぶりに明るく晴れやかな春となりました。春は別れと出会いの季節です。卒業や入学を見守ってくれるサクラですが、仙台のソメイヨシノは、今年は例年より13日も早く開花しました。みみサポ向いの錦町公園でもきれいに咲いています。日本のサクラは野生種だけで11種類あり、それぞれ開花時期が異なることから、比較的長い期間花を楽しむことができます。開花から満開になっていく様子は気分を高揚させてくれますし、花吹雪にははかなさと潔さを感じさせられます。古来、数々の詩歌に詠まれ、現代においても歌謡曲の題材に取り入れられるなど、日本人にとってサクラは特別な花ですね。春は芽吹きの季節、いのちを感じる季節です。
3月18日(土)、全通研第4回WEBアカデミーが開催されました。今年度最後のWEBアカデミーは、「『優生保護法』聞こえない人と家族・手話に関わる人~障害者が子どもを産み育てる選択を否定した法律~
2022/12/26
年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。
日本漢字能力検定協会が毎年「今年の漢字」を募集し、12月に発表しています。2022年の漢字は「戦」でした。2 月から現在まで続く、ロシアによるウクライナへの侵攻が、世界に大きな衝撃を与え、さらに北朝鮮による相次ぐミサイル発射などにより、多くの人が「戦」争への恐怖や不安を感じたことが理由としてあげられていました。そして2位は「安」。「戦」の不安を転じて安全・安心・安定に対する切望を感じます。
また、1年の社会情勢がうかがえるものにユーキャン新語・流行語大賞もありますね。トップテンを見ると、たしかに「ああ、よく目/耳にした語句だなぁ」と思えるものばかりです。トップテンではありませんでしたが、選考委員特別賞の「青春って、すごく密なので」が心に残っています。甲子園の優勝旗が初めて「白河の関」を越えた喜びもさることながら、さまにコロナ禍の真っただ中で高校生となり、高校生活や部活動を送ってきた選手たちのかけがえのない3年間を称える言葉だと思います。
人類と感染症の戦いは紀元前から存在します。…
2022/05/01
宮通研定期総会も無事終了し、東北ブロックの代議員会も無事終了し、2022年度が本格的に始動しました。宮通研運営委員も新メンバーを迎え、東北ブロック役員はなんと6人総入れ替えとなりました。初めてのことにチャレンジするのはドキドキですよね。でも、経験があるからこそ上手にこなせるものがあるのは当然ですが、ポストを与えられたためにできるようになっていくことのほうが多いように思います。やってみようと勇気を出したその1歩が未来を大きく変えることと思います。幸いなことに全通研活動は一人でこつこつ頑張るものではなく、仲間とわいわい取り組むものです。一日1歩でも0.5歩でも踏み出し続けて、数年後振り返った道のりにはたくさんの宝石が輝くことでしょう。そしてその宝石は自分と仲間が作り出すものなのです。わくわくですね!
今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
会長 宮澤典子
2022/03/01
宮城県でも、新型コロナウイルスの感染が拡大しています。2月17日の陽性者は906人と過去最高となりました。学校や障害者施設でもクラスターが発生しているようですし、2月22日における実効再生産数は1.3と依然として拡大傾向が続いています。宮城県や仙台市はさまざまな新型コロナウイルス対策の施策を展開していますし、私たちも感染防止に取り組んでいるのですが、なかなか効果が現れない状況となっています。毎日800人前後の感染者が報告され、家族や知人が感染したという話を聞くようになってきました。今回は、陽性となり宿泊療養を体験した方のお話を聞いてみたいと思います。
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M:このたびは大変でしたね。感染が判明してからこれまでの出来事で強く印象に残っているのはどのようなことですか?
X:陽性と言われたきの衝撃でしょうか。ワクチンも接種したし、数日前のPCR検査では陰性だったので、なぜ私が?と思いました。幸いのどが痛む程度の軽症だったのですが、宿泊療養を勧められ、迅速に手配していただけたことで少し落ち着きました。……
2022/02/01
2月4日は立春。暦のうえでは春の始まりです。
昨年11月から12月は新型コロナウイルス感染者が減少し、このまま収束に向かってくれるのかと淡い期待を抱いていましたが、新年早々第6波が到来してしまいました。しかも、感染者のほとんどが感染力の強力なオミクロン株によるもので、感染者数はネズミ算的に増加しています。特にオミクロン株は若年層に感染が拡大しており、仙台では休校となる小中学校も出ています。若年層は重症になりにくいと言われていますが、小さな子どもが発熱や倦怠感に苦しむのはかわいそうです。また、子どもが感染すれば親をはじめ家族も外出を自粛するなどの対策を講じなければなりません。新型コロナウイルス感染症は対岸の火事とは言えない状況です。宮城県や仙台市では「感染拡大傾向時の一般検査事業」として、県内36か所で無料検査を実施しています。無症状だけれども感染リスクの高い状況にあり、感染の不安があるという場合は、こちらの検査を利用するとよいでしょう。また、何かあった場合にどのように行動すればよいのかも合わせて確認しておきたいものです。……
2022/01/01
年頭にあたり、新年のご挨拶を申し上げます。
日本漢字能力検定協会が毎年「今年の漢字」を募集し、12月に発表しています。2021年の漢字は「金」でした。「金」が1位になったのは4回目と最多だそうです。オリンピック、パラリンピックが日本で開催され、連日「金」メダル獲得のニュースが流れたりと明るいニュースがありました。一方、コロナ禍による飲食店や従業員支援のため休業支援金や給付金などお「金」の文字を目にする機会も多々ありました。いずれにしても、2021年もコロナの話題が満載でした。
私の2021年の漢字といえば「隔」でしょうか。2021年はコロナ禍の副産物として遠隔手段が拡大しました。宮通研でも会議や学習会をオンラインで実施しましたし、夏に開催された全国手話通訳問題研究集会inやまがたは、全通研集会としては初めてのオンラインによる集会となりました。4月からはフリーランス生活ですが、ほとんど毎日のように遠隔で会議をし、遠隔で通訳をし、遠隔で講義をしたりしています。まさしく「隔」漬けの毎日でした。
2021/11/01
いつの間にか季節が変わり、秋を飛び越して、そろそろ冬の気配です。新型コロナウイルスに翻弄された2021年も残り2か月。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置、リバウンド防止徹底期間など、次から次へと行政措置が講じられ、活動に制限がかけられてきましたが、最近は新感染者数も激減し、少しほっとした雰囲気です。
近年、ハロウィンのイベントが盛んになってきました。日本のハロウィンは仮装して楽しむことが多いようですが、今年は三密を避けるためもあって、バーチャルのハロウィンフェスティバルなどもあります。ICT、高速インターネット、コロナ回避などの諸条件が重なってどんどん新しい様式が生み出されています。
ハロウィンといえば、アメリカの西海岸、オレゴン州にあるろう学校によるナイトメア・ファクトリー(お化け屋敷)を思い出します。オレゴンろう学校では、30数年前から、生徒たち手作りのナイトメア・ファクトリーを開催しています。この30数年の間にどんどん規模が大きくなり、いまでは期間中に1万5千人が入場するほどになりました。入場料はひとり15ドル(≒1,710円)。期間中に2,565万円もの収入になりますね。
2021/09/01
8月21日(土)「第54回全国手話通訳問題研究集会~サマーフォーラム in やまがた」が開催されました。昨年の石川集会は、コロナ禍のため残念ながら中止となりましたので、2年ぶりの開催です。今年も新型コロナウイルス感染拡大は収束せず、会場とオンラインを併用したハイブリット方式による集会となりました。全通研集会の形態としては初めての試みです。日程も従来の形式とは異なり1日だけであり、討論形式の分科会はなく講座のみとなりましたが、全国から1,376人の参加がありました。この参加者数もここ数年に比べるととても多く、オンラインの利便性の効果かと思えます。準備に準備を重ねて開催にこぎつけた山形の実行委員会の皆さまに心から感謝申し上げたいと思います。
全国手話通訳問題研究集会は、1968(昭和47)年に福島で第1回全国手話通訳者会議として開催されてから、毎年開催されてきました。「全国手話通訳問題研究会」が発足したのは青森で第7回集会が開催されたときでしたが、集会の回数は第1回から通しで数えられています。宮城では2007年に仙台市国際センターを会場に第40回集会を開催しました。